北米でマルチリンガルの子育て、仕事、海外生活と日々奮闘中の筆者が感じた日本と海外の違いや気づきを綴るコラム。

第20回は「日本の増税が近いが、カナダに比べればぜんぜん無問題!のハナシ」です。

=========================================

 

10月から日本の消費税が8%から10%に引き上がる。これについての話題は、メディアやニュースなんかでもたくさん取り上げられていて、私も日本の増税に関する記事をいくつか書かせていただいた。そのおかげで、日本に住んでいなくともその細かな内容や動向を知ることができたのだが、この増税に関する記事を書くたびに、ちょっとしたモヤりというか、たしかに増税は大変だけどカナダに比べればまだマシだよ‥と思ってしまう自分がいる。

 

ここカナダは、連邦税と州税の合算を消費税と呼び、住んでいる地域によって税率が異なる。私が住んでいるカナダ・ケベック州は、カナダの中でも税率の高い州になっていて、14.975%。しかも、ほとんどのお店は税別表示のため、買い物をしたときの支払い時にちょっとした驚きがいつも起こる。

 

合計2万円位かなぁと思って支払いに行くと、2万3千円請求され、「え?なにか余計なもの買ったっけ?」となるのだ。ビンやペットボトル、カンといったリサイクル可能な商品の場合は、それにプラスでリサイクル代を加算される。この税率の高さにはいまだに慣れない。

 

今回日本では、軽減税率といって8%据え置きの対象品目もいくつかあるが、その中で気になったのが店内飲食10%とテイクアウト8%の差。これを聞いて思い浮かべるのが、北米でおなじみのチップだ。カナダにもチップ制度があり、ウェイター・ウェイトレスにサーヴされる場合には必ずチップを払う。チップ率は、飲食代トータルの15〜20%ほど。チップは、法律で定められているものではないので、ある意味「心付け」なのではあるが、支払わなければならない!という圧があり、水1杯とワンプレートの皿を1回、テーブルに運んでもらっただけでも15%のチップをする。

 

つまりここケベック州では、外食時に消費税とチップの合計30%を追加で払わないといけなく、2万円の食事をしたら最終支払いは、2万6千円になるのだ。これ、高くありませんか?

 

こんな地域に住んでいるため、日本での2%の違いには、どうにも熱い気持ちになれず、なんかそんな細かい指定をするなら、もう全部10%にしちゃったほうが、消費者も諦めモードになり、なによりわかり易いしで、良いのではないかと思ってしまうのだ。

 

海外に来て、こちらの現地人に「日本は高い!」と何度も言われた。でも両国に住んだわたしとしては、外食も物価も日本のほうが安いと思うし、医療も何十時間も待たされて無料よりも、3割負担で予約制のほうがよっぽど楽だと思う(時は金なり)。歳を重ねるごとに、日本ラブ度が上がるわたしにとって、日本の消費税率が10%に引き上がろうとも、全くもって無問題であり、今日もまた次回の日本滞在のことを考えにやにやしている。

 

===================================

SASAKI

 

海外移住をきっかけに本格的にライター・エディターとなる。英仏話者。人々の生き方や働き方、子育てや教育に興味があり、取材・インタビュー記事が得意。現地では新たな挑戦として、現地企業でマーケティング・カウンセラーも経験し、海外と日本の架け橋となるようなサポートもしてみたいと考えている。